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新潟県五泉市慈光寺の天狗

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天狗と言えば、全国的にも大変有名な妖怪である。
赤い顔と赤くて高い鼻を持ち、山伏の恰好で不思議な超能力を持った妖怪として一般的に知られている。
山の妖怪として古くから知られ、山で起こる不可解な現象はたいてい天狗の仕業とされた。
山の中で小石や砂が突然降ってくる「天狗礫(つぶて)」や山の中で突然大きな笑い声が聞こえてくる「天狗笑い」などが天狗の仕業とされた。
源義経(1159年~1189年没)に術を教えたとされる京都の鞍馬山の天狗が全国的にも有名であるが、新潟県では五泉市(滝谷)慈光寺(じこうじ)の天狗が有名である。慈光寺は曹洞宗の寺院である。
創建は不詳だが、古くから山岳宗教の拠点の一つであった。
天狗は山岳宗教の修験道とも結びつきが強く、慈光寺にも天狗の伝説が残されている。かつて慈光寺には慈戒和尚という天狗が住んでいたという。
慈光寺を開山した傑堂能勝(けつどうのうしょう)(1355年~1427年没)によって慈戒和尚は超人的な力を得た。
ちなみに、傑堂能勝は南北朝時代の有名な武将・楠木正成(くすのきまさしげ)(生年不明、1336年没)の孫とされ、新潟県では村上市に同じく曹洞宗の寺院の耕雲寺を開いている。
慈戒和尚は超能力を活かして、巨木を伐り出したり、巨石を運んだりして、慈光寺の諸堂を建立し、お寺を助けたとされる。
また、働き者のお寺の小僧さんを抱えて飛び、ご褒美に京都の祇園祭を見せて楽しませたともいわれている。現在の慈光寺にも天狗にゆかりのある天狗堂(慈戒堂)が残されている。
また、慈光寺には「姥石(うばいし)」という大きな石も残されている。
この巨石は、女人禁制の山に登ろうとして石になったお話もあるが、天狗が山から巨石を落として姥と子供が下敷きになったという話も伝わっている。
その他にも天狗が昼寝をしていたとされる天狗杉も慈光寺にある。このように慈光寺は、天狗の逸話が残り、天狗にゆかりのある代物が残されている場所である。

【滝谷 慈光寺 公式ホームページ】
http://www.jikoji.jp/index.html 

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