新潟県糸魚川市から富山県朝日町にかけての海岸で翡翠を拾うことができます。
翡翠を求めて、新潟県内だけではなく県外からも多くの人が訪れています。
筆者が平日に糸魚川の海岸に行き、車のナンバープレートを見ただけでも、「尾張小牧」「つくば」「千葉」など県外の方が大勢訪れていました。
拾った石は糸魚川市のフォッサマグナミュージアムで鑑定してもらえます。
基本的にはその日のうちに、翡翠かどうかの鑑定結果がわかります。
翡翠拾いを楽しみたい、海を楽しみたいという方だけでなく、高価で希少な翡翠を集めたいという方もいます。
TV番組「なんでも鑑定団」で1997年に放送された回では、女子大生が糸魚川の海岸で拾った翡翠に数百万円(番組による鑑定額)の値がついたこともあります。
糸魚川の海岸で数百万円の値がつく翡翠が拾えるのは、滅多にあることではありません。
しかし、それでも希少で高価な翡翠を求めて、県外からも多くの方が熱心に翡翠拾いに訪れます。
それはまさしく日本版ゴールドラッシュと言っても過言ではないでしょう。
県外からも多くの人が訪れる熱いスポットなのが糸魚川の海岸なのです。
「大勢の人が訪れるのだから、翡翠はよく拾える」と思われるかもしれません。
しかし、実は高値がつかない翡翠でも拾うのは難しいです。
海岸には無数の石が存在していて、どれが翡翠なのか全く見分けがつかないからです。
しかも翡翠と思って拾った石が、翡翠とは全く違った石であることも多いです。
「翡翠に興味を持ったからさっそく拾いに行こう」と思って糸魚川の海岸に拾いに行っても、翡翠を拾うことはまず困難です。
初めての方が事前にネットなどで翡翠の拾い方を調べても、翡翠を拾うことは難しいです。
海岸に広がる無数の石が判断を鈍らせ、区別をつきにくくさせるからです。
10時間以上、1日以上かけて長時間に渡って根気よく探して、ようやく翡翠が1個見つかるかどうかといった具合です。
翡翠拾いを何度も経験している方でもほとんど翡翠が採れない日もあります。
「なんでも鑑定団」の女子大生が数百万円の翡翠を拾えたのは、宝くじに当たったくらいの幸運だったと言えます。
このように翡翠を拾うことはとても難しいことですので、翡翠拾い初心者の方はガイドを利用することを推奨します。
「富山県朝日町観光サイト あさひ暮らし旅 ヒスイさがし」
https://www.asahi-tabi.com/hisuikaigan/
上記のサイトのように、翡翠拾いのガイドサービスが存在します。
初めての方は、独学で翡翠の拾い方を学ぶのではなく、ガイドを利用した方が翡翠を拾える確率が高まります。
ガイドは自治体が現地のプロを雇って運営していますので安心です。
ただし、ガイドを利用したからといって、100%翡翠が拾える保証はありません。
しかし、長時間拾い続けて、鑑定してもらったら1個も翡翠はなく、落胆して帰ってしまう事態に見舞われる可能性は減ります。
慣れないうちはガイドをよく利用して、何度も海岸に足を運んで、翡翠を見分ける目を養ってから1人で翡翠を拾うようにすれば、翡翠を見つけやすくなります。
もちろん、このやり方はあくまで筆者の意見ですので、必ずやるべきことでも強制でもありません。
「なんでも鑑定団」の女子大生のように、ビギナーズラックで希少な翡翠を見つけてしまう可能性は全く否定できません。
しかし、長時間かけたのに1個も翡翠が見つからなくてガッカリしてしまう可能性の方がそれよりも遥かに高いです。
楽しい思い出にするつもりがガッカリした思い出になってしまった、ということにならないように慣れないうちはガイドを利用することを推奨します。
なお、ガイドを利用する際は観光協会で事前にお問い合わせをしてから現地へ出かけることを推奨します。
現地に行ってからガイドを頼んでもできない可能性が高いです。
糸魚川市によるガイドは事前に書類提出が必要です。
http://www.geo-itoigawa.com/tourism/experience/guide.html
初めて翡翠拾いを行なう際は、翡翠が拾えることを期待しすぎないことが楽しめるコツかもしれません。
海岸で長年翡翠を拾い続けているプロの方でも1時間に1個拾えるどうかだからです。
翡翠拾いだけでなく、海岸や砂浜を歩いて海を眺めたり、磯の匂いを味わうだけでもきっと楽しめます。
初めての場合は、翡翠が拾えることを期待しすぎずに、海を楽しむつもりで翡翠拾いに出かけた方が楽しめるかもしれません。
以下、翡翠の見つけ方です。
ただし、この見つけ方をマスターしても翡翠を見つけるのは初心者にとっては難しいです。
糸魚川市のフォッサマグナミュージアムでも翡翠の見つけ方を学芸員の方が説明してくれます。
それが以下4つの見つけ方です。
- 白い(色)
- 角ばっている(形)
- なめらか(手触り)
- 重さを感じる(重さ)
まとめると、「白くて、角ばっていて、なめらかで、重さを感じる石」が翡翠です。
詳しくは現地でガイドさんやフォッサマグナミュージアムの学芸員の方に聞いてください。
そもそも翡翠(輝石)自体が白い石です。
そのため、海岸で翡翠を探しをする際は、緑色の石を探すのではなく、白い石を探してください。
緑色の石は、ロディン岩など翡翠によく似た石が多いです。
翡翠を拾ったと思ったけど、鑑定してみたら、翡翠ではない石だったというケースが非常に多いです。
また、翡翠第一発見者の伊藤栄蔵氏も翡翠が緑色の石だと思っていたので、すぐに翡翠を発見することができませんでした。
翡翠は堅いため角ばっています。
翡翠はダイヤモンドよりも傷がつきやすい(硬度)ですが、ダイヤモンドよりも堅くて割れにくい石です(靱性)。
割れにくいため、角が取れず丸まることはほとんどありません。
ですので、丸い石は翡翠ではないと思って探したほうが効率いいでしょう。
海岸で採れる翡翠の多くは滑らかな手触りとなっています。
翡翠を構成しているのは、ほとんどがヒスイ輝石で、他の鉱物はあまり含まれていないため、滑らかな手触りとなっています。
ただ、手触りだけで翡翠を他の石と区別するのは難しいのではないかと思います。
翡翠は密度の高い石ですので、他の石と比べても重いです。
ヒスイ輝石の密度(比重)は、3.3です。
糸魚川の海岸には翡翠と似たような白い石が多く存在するので、重さで比べてみるのは有効な手段です。
以上が翡翠の見つけ方です。
糸魚川の海岸で翡翠を見つけるには、とにかく多くの場数を踏むことが翡翠を多く見つける近道です。
そして、翡翠によく似た石と翡翠を多く見比べて、目を肥やすことも近道の1つです。